それはハタチの若者の初めての冒険。
はじめての自転車旅、ひとり旅、 旅の行方はいかに!?
20歳のバカな旅人をどうか笑ってお楽しみください。
旅に出た理由は後々語りましょう。 それでは出発!!
(ひどい文章ですが当時の日記をできるだけそのままに。)
2015/3/12
距離:40㎞
那覇空港→具志川
出発!
早朝に北海道を出発。
那覇空港に着いたのは昼頃でした。
空港に降り立つと
肌にじんわり伝わる熱気。
ああ、これが「沖縄」か!
沖縄県はもちろん、
北海道を出たのは修学旅行くらい…
見たこともない海の色、
3月とは思えぬ熱気、
すべてが新しいものばかり!
不安、緊張、どんな感情も塗りつぶす高揚感!
「はじまるんだ…」
誰も知らない地にひとり。
そっと手のひらを握りしめ、
覚悟を決めて走り出しました。
怒りの猛アタック!
久しぶりの自転車ということもあり、
初日から体を酷使してしまいました。
荷物は40㎏…
曲がろうとするとそのまま自転車が倒れそうになります。
自転車は進まない!
そして、荷物は何度も落ちる。
ああ!!
初日から秘密の最終奥義、
「怒りの猛アタック」を使ってしまいました。
(がんばって漕ぐこと)
結局、予定より2時間遅れて目的地、
具志川運動公園にたどり着きました。
キャンプ場
夕暮れとともに雨も降りだし、
18時頃、やっとキャンプ場があるという公園に着きました。
が、しかし、
キャンプ場が見当たりません。
はじめての旅、
こんなにも思うようにいかないものかと
腹を立てながら、
「もう何でもいい!」
とやけくそになり、
降りしきる雨の中、そして暗闇の中、
無心でテントを立てていました。
初めてのテント設営に戸惑い、
一時間ほど経って、ついに完成間近!!
遠くから人が歩いて来ました。
ハッと冷静になったとき、
自分がパークゴルフ場のど真ん中に
テントを立てていることに気づきました。
傘をさしたおじさんが近づいてきます。
「うわっ、絶対パークゴルフ好きだろ!」って格好です。
緊迫した状況に何にもできず、
無意識に手首足首の体操をしていました。
そして、目の前にパークゴルフおじさんが来ました。
(やばい怒られる)
「バカ者!はやくしまえ!うちに泊まれ!」
予想外の言葉に放心状態。
まあ確かに、豪雨の暗闇の中、
パークゴルフ場で手首足首をしているやつは
間違いなくバカ者です。
宴だ!!
速攻で完成間近のテントを撤収し、
家におじゃましました。
パークゴルフおじさんは、
波平さんという漁師の方でした。
お母さんは常にニコニコしています。
僕が奥平だと名乗ると、
何だか似ているということでお二人は大喜び。
泡盛とつまみをテーブルに並べました。
そして、沖縄の歴史、戦争について、
若い頃の話、波平オジ―との会話に花が咲きました。
その勢いを利用し、
波平オジ―は「若い頃歌手を目指していたんだ…」
そう言って沖縄三味線を手に取り、歌い出しました。
感動です。
スッと心に入りこむような素敵な音色…
僕はうっとりと聞き惚れてしまいました。
曲が終わり、拍手をしていると
今度はギターを取り出し、なんと僕に渡してきました。
「こ、これは歌えということだ…」
一瞬、『レットイットゴーありのままで』が
脳裏をよぎりましたが、渾身の力を振り絞り、
『島唄』を歌いました。
気がついたら、一本の泡盛をあけていました。
倒れるように眠り、
気がつくと朝が来ていました。
さて、波瀾万丈の旅の始まりですが
なんだか、悪くない!
2日目は海中道路を走り、
「伊計島」を目指します!
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