やってまいりました。 ついに沖縄の旅も最終日。
大好きになった沖縄。
溢れる思いのすべてをかけて ペダルを踏み込みます。
具志川城跡
那覇からひたすら南に走り続けると、これまた面白い場所に着きました。 沖縄の歴史というと、北海道の僕は琉球王国の尚泰王の話や戦争のことくらいしか勉強していません。 一つの王国だった琉球。 そこには独自の歴史と文化があるのです。 この城跡は離島の権利者が追われ、本島に逃げてきて築いたものだそうです。 故郷である離島と、石の積み方が共通していることからこの説が有力みたいです。 なんだか、ロマンがありますね… また、沖縄には変わった地名が多いです。 北海道に負けじ劣らずです。 読めるでしょうか? ①中城 ↓ なかぐすく ②金武 ↓ きん ③国頭 ↓ くにがみ ④北谷 ↓ ちゃたん 地名についてもおそらく歴史と深い結びつきがあるはずです。 僕が走った道には どんな歴史があるのでしょう… ゾクゾクしてきましたね! 帰ったら詳しく勉強したいと思っています。
ひめゆりの塔
戦争の爪痕が色濃く残る地域。 ひめゆりの塔もその一つです。 この洞窟で何が起きたのか 今は全く知らない人だっていますね。 戦争の記憶は薄れ、日本人の中から消えていくのでしょうか… 人間は忘れていく生き物。 よい意味でも悪い意味でも「当然」である この渦の中で、 時の流れという濁流に逆らって、 語り続ける人たちがいます。
ひめゆりの塔 資料館
料金がかかります。 僕は一度入ろうとしてやめました。 いや、お金がかかるからではありません。 「館内撮影禁止」と書かれた この建物の中にいったい何があるのだろう。 僕は怖かったのです… 見たくなかったのです… けれど、乗りかけた自転車をもう一度止めて、資料館に向かっていく自分がいました。 使命感でしょうか。 好奇心でしょうか。 分かりません。 引き寄せられるようにして、建物に入っていきました。 僕は沖縄が好きです。 美しいところも、 見ていられないようなところも、 全部受け止めてなお 好きでいたいと思っています。 綺麗なところだけを見るようにしていても、よい付き合いはできないですね。 好きなところ、 ダメなところ、 全部分かっている。 それでもなんだが一緒にいてみたい… というのが長続きするカップルですね。 はい。説得力に欠けますね。 資料館の中で何を見たのか、感じたのか ここで語るつもりはありません。 というよりも、 言葉にできる自信がないです。 ただ一言、生き延びた方の言葉に心が震えたので書かせていただきます。 「生き残ってしまった」から
「生かされた」へ 資料館へ入る人と出てくる人の 表情は違います。 女「ねえ、入ろうよー!」 男「えー、金かかるしさー」 というカップルも 出てきたときは、凛とした表情で しっかりと手をつなぎ 一歩一歩踏みしめて歩いていきます。 資料館の最後には 亡くなった200数名の顔写真が部屋一面に飾ってあります。 悲しみ、衝撃、どれも当てはまらない。 心臓が千切れそうな心もちで僕は資料館を後にしました。 空を見上げました。 昼下がりの太陽が輝いています… 銃弾が飛び交った道を走ってゆきます。 海からの爽やかなそよ風が吹き、 鳥のさえずりがそっと響いています…
平和祈念公園
風の道しるべで、ここにたどり着きました。 驚いたのは外国人の方の多さです。 アメリカの方もたくさんいらっしゃったでしょう。 みなさん、日本語で書かれた文字さえも じっと見つめています。 瞳は震えています。 立ち尽くし、 こぶしを握っています。 何を感じたのでしょう… 偉そうな言い方になりますが、 僕は感心しました。 日本人はこんなことができるでしょうか。 自国の負の歴史と正面から向き合っています。 少なくとも僕は、日本が残した爪痕を見るなんてとてもできそうにありません。
前述の通り、戦争の記憶は薄れています。 ニュースでも恐ろしいできごとが後を絶ちません。止まぬ紛争、人質の事件もありました。 ここに来いとは言いません。 また、僕が感じたことを誇るつもりもありません。
声を上げることが偉いなんか全く思っていません。 ただ、 誰よりも戦争の怖さを知っている日本人。 そんな日本人だからこそ、この世界に訴えられる何かをもっているような気がします。 気が向いたら、 是非この場所に来て欲しいです。
知念岬
素晴らしい景色ですね。 「幸せの架け橋」 周りに誰もいないことを確認して、 シュッ!!と渡りました。
海を見ながらのランチ
オープンテラスになっています。
この景色、そよ風、 何にも勝るスパイスですね
斎場御嶽
「せーふぁーうたき」と読みます。 古くから琉球の神が降りた地として崇められてきました。
琉球で最も聖なる場所と言われています。
どっしりとした不思議な雰囲気です。
ゴール
残り20㎞! 怒りの猛アタックを仕掛けました。 「うおーーー!!行け!行け!」 こんな感じで攻め続けました。 ゴールして、 そのまま芝生に倒れこみました。 本島一周、やり遂げました。
完走祝い!
後輩の碧斗くんが駆けつけ、 完走を祝ってくれました。
本当にありがとう…。
沖縄の7日間を振り返って
飛行機から見たあの景色。 僕はあの果てしなく大きく見えた島を一周したらしいのです。 ここから見えるあの山の向こうを、数日前走っていました。
遠くに見えていたこの海岸に今立っています。 この7日間で感じたことは、 とても語りきれません。 一生忘れられない7日間です。 あの人は元気でしょうか。 あの登り坂はまた誰かを苦しめているでしょうか。 なんだか、寂しいですね。 沖縄のこの7日間の 偶然の出会いの全てに感謝して、 しばし、お別れしたいと思います。 ありがとうございました。
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